つくしんぼ通信令和7年10月号
マイクロRNAを応用した尿を提出するだけの癌検査取り扱いを始めました
2024年ノーベル医学生理学賞を受賞したマイクロRNAの応用として尿を提出するだけでがん診療が受けられるようになりました。現在は食道癌、肺癌、膵臓癌、大腸癌、膀胱癌、胃癌、腎臓癌、乳癌(女性)、卵巣癌(女性)、前立腺癌(男性)の10の癌が対象ですが、この後データが蓄積するとさらに検出可能な癌が増えてくると思います。信頼度は95%以上とされており有望な診断ツールとなっていくでしょう。検査費用は70000円から80000円と高めですが尿を検査会社に宅急便で送るだけですから、検査の煩わしさがないというメリットがあります。今後はこのマイクロRNAを応用した癌治療が開発されていくものと期待されています。ドラッグストアで購入される方法やメーカーからの直接購入、診療機関を通す方法がありますが、診療機関で頼めばリスク評価や高リスクの場合の対処をしてもらえるのが利点です。当院では69800円で実施しております。親御さんにはいいプレゼントかも。詳しくは医師、看護師にお尋ねください。
10月1日より鼻に噴霧するだけのインフルエンザワクチンの接種を開始します
10月1日からインフルエンザワクチンの定期接種が開始されますが、今年からは鼻にワクチンを噴霧するタイプの痛くないワクチンが公費助成対象になりました。メリットは針を刺さないので痛くない、自然な感染経路に近い接種方法なので副反応が少ない、2回接種が原則の年齢でも1回の接種で済む、効果の持続が長く受験生は受験シーズンをカバーできるなどでしょうか。デメリットは少々値段が張る、2歳から18歳しか使用を許されていない(大人への使用についてはエビデンスが不足しており実際には効果があるものと思われます。)などです。お子様お孫様へのプレゼントに喜ばれそうですね。当院での公費助成を利用した時の自己負担額は注射の場合1回2000円、鼻への噴霧の場合4000円を予定しています。
10月1日より新型コロナワクチンの高齢者への定期接種が始まります
10月1日から2026年3月末まで新型コロナワクチンの定期接種が始まります。高齢者には公費補助があり格安で接種できます。当院では従来のⅿRNAワクチン(ウイルスの設計図のmRNAを注射してウイルスの構造の一部のタンパクを作らせそれを抗原とする)ファイザー社製のコミナティと、武田薬品の開発した従来型の不活化ワクチンで、ウイルス本体のスパイクタンパクを直接接種し、これを標的とした抗体を作らせるヌバキソビットの2種類を主に取り扱います。副反応については大きな差異はないようです。効果の維持はヌバキソビットワクチンの方がよいようです。それぞれのワクチンの説明は裏面に記載があります。ワクチンについて詳しいことは医師にお尋ねください。接種費用のご相談は受付事務職員がお受けいたします。高齢者で助成対象者は自己負担額が2500円です。助成が受けられない方々は、全額自己負担で国の想定では15000円+税となっています。