つくしんぼ通信 令和3年12月号

今年は記憶に残る行事が何もなく、淡々と時間が過ぎて行きました。私の唯一記憶に残っていることといえば1日中ワクチンを打ちまくってへとへとになったこと位でしょうか。とにかくいい思い出に乏しい年でした。来年はちょっとだけいい思い出を作りたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。

当院の正月の休業は12月29日から1月3日までの6日間です

インフルエンザと新型コロナを比較してみると

インフルエンザは1918年に強毒化して全世界でパンデミック(感染爆発)を引き起こし全世界の人口20億人弱のうち、6億人が感染し1億人が死亡しました。人類史上最強のパンデミックでした。今でもカテゴリー5で最高ランクの感染症として位置づけられています。米国発祥のこの感染症は米国が第一次世界大戦中で秘密保持のためひた隠しにして、スペインが最初に報告したために「スペイン風邪」と言われるようになりました。その後は約3年猛威を振るい、ほぼ終息に向かったのですが、1977年ソ連の研究所から漏れたとされるスペイン風邪と同型のウイルスが大流行し、「ソ連風邪」と呼ばれ現在も流行を繰り返しています。新型コロナも当たり前に流行していたコロナウイルスによる一般の風邪が強毒化し全世界にパンデミックを起こしています。しかし、スペイン風邪に比べれば2年間の総感染者は2億7千万人、死亡者は528万人ですから総人口77億人に占める割合はしょぼいとも言えます。今でも国内の1年間の死亡者数はインフルエンザ関連死が1万人、新型コロナが9000人でインフルエンザは健在です。インフルエンザを甘く見ないほうがよいと思います。

インフルエンザワクチン入荷いつでも接種できます

お待たせしていたインフルエンザワクチンが入荷するようになりました。窓口または診察室でお申し出いただけば接種が可能です。年齢が高くなれば重症化リスクや死亡リスクが上昇します。また、毎年の死亡者は新型コロナに匹敵します。これまでインフルエンザに罹患したことがないからワクチンは不要と嘯く方が多いのですが、今までは幸運だったと思って考えを切り替えていったほうがよろしいかと思います。自治体によって高齢者のワクチン接種補助は全額から2500円まで様々ですが、板橋は2500円の自己負担で打てます。一般の方は全額自己負担で当院では3800円です。

新型コロナワクチンの3回目接種について

新型コロナウイルスの3回目の接種は、2回目を接種した日から概ね8か月経過した時点でお住いの市区町村から接種のための予診票が届けられますのでそれから接種の予約をします。政府は前倒し接種を推進すると言っていますが、ワクチンの不足で、当院でも1月接種分のワクチンの割り当てが減らされており予断を許しません。前倒し接種はワクチンの供給がないと行えず当面は有り得ないと考えておく方がよいでしょう。当院で1回目2回目を接種した方は、原則3回目もファーザーのワクチンを接種することになりますが、ワクチンの手当てがつかずモデルナのワクチン接種が検討されています。ほとんどの日本人は年末には抗体価が下がり「ワクチンを接種しているのに罹患する」所謂ブレイクスルー感染を起こすことが想定されています。事実お隣の韓国ではオミクロン株ではなく旧来のデルタ株で感染の再拡大が起きており、3回目の接種が待たれるところです。ほどほどに気を抜いて楽しい年末年始をお過ごしください。

肺炎球菌ワクチンの自己負担額が来年の3月まで1500円です

肺炎球菌のワクチンは通常公費対象者の自己負担額は4000円とされていますが、特例として来年3月までは自己負担1500円で接種できます。肺炎球菌ワクチンは全額自費では8000円かかりますが、65歳以上の方で70歳、

75歳、80歳、85歳、90歳と5歳刻みで公費補助を受けられます。しかし、これが利用できるのは一生一度とされており、一回制度を利用して接種するとその後接種券は送られてきません。また、公費補助を受けられるニューモバックスワクチンは5年毎に再接種を受けねばなりません。今は1回接種でその後の追加接種が不要のプレベナーというワクチンも出てきていて選択肢が拡がりました。それぞれに利点欠点があります。詳しくは医師とご相談ください。

土曜日外来を隔週で齊藤英一医師が担当することになりました

来たる2022年が平穏な年となりますよう切に願っております

                つくしんぼ会職員一同