つくしんぼ通信 2023年新年号

新型コロナウイルスの今後

新型コロナウイルスが拡がりを見せ、毎日死者が500人を超す勢いです。医療機関からの全数報告がなくなり、無料PCR検査や抗原検査が町中で行われ、医療機関を通さない隠れた陽性者が大量に発生しています。ほとんどの人が届け出をしてくれないため、どの程度感染が拡がっているのか実態がつかめなくなっています。東京都は毎日1万人前後の患者数を発表していますが、死者数から逆算すると実数は8万人と言われています。中国の発表ほどではないものの、実態からかけ離れているという点では共通しています。届け出を行わない陽性者が街中を歩き回り、飲食店で大声でノーマスクで喋っているのですから、どこで感染してもおかしくない状況になりつつあります。今回感染が急拡大している要因はこんなところにあります。おまけに旅行支援策など日本中で行われているのですから、感染が拡がるのは当たり前です。おそらく、集団免疫を得て感染を収束させようとする政治的意図が見え隠れしています。これも中国がゼロコロナ政策から、国民皆感染政策に舵をきったのと同じ発想でしょうか。いずれにせよ一つの地方都市が消滅するほどの方々が亡くなっているのですから大変な状況にあることは間違いありません。

以前は医療従事者の方ありがとうということばが聞かれ、ブルーインパルスが感謝の飛行を行ってくれて励まされたのですが、医療ひっ迫が以前にも増しているにもかかわらず、そんな声は聞かれなくなりました。今救急車を呼んでも受け入れ先が見つからず、8時間以上救急車の中で待機するなどという事例が頻発しています。挙句の果てには救急隊員が激務に疲れ、救急車が居眠り運転で事故を起こすに至っています。

という中で、一人暮らしに不安があるので、A病院に入院できるように取り計らってほしいなど無理難題を持ち込まれて粘られると、気持ちが折れそうになることがあります。コロナに限らず今は一般医療を受けることも困難な状況であることをご理解ください。もちろん医療が必要な方は最大限努力して対応いたしますのでご安心ください。みんなで8波を乗り切りましょう。

インフルエンザの同時流行

アメリカの感染症当局はインフルエンザと新型コロナの同時流行はないのではと発表していますが診療所には今A型インフルエンザに感染された方の受診が増えてきています。これほど新型コロナが猛威を振るうと、感染後の後遺症で体力の落ちたところへインフルエンザが追い打ちをかけてくることも考えられます。ワクチン接種も考慮してください。

インフルエンザワクチン、新型コロナワクチンは十分な供給が得られています。