ご挨拶

医療法人社団つくしんぼ会は、平成9年に設立されました。設立の趣旨は、他の医療機関と些か異なっています。医療は、単に傷病の治療を行うだけではなく、患者の生活の質(QOL)を高め、生活を回復させることが本来の目的であり、その目的を目指して行動することが我々の使命であると考えたのです。私達は患者の生活を理解し関わっていくためには、病院の医療では限界があると知り、共に地域に出ました。

生活を支えることは、医師だけの力ではもちろん行えません。そこで、同じ志の看護師、介護職、ケアマネジャーなどを仲間に加え、職種の垣根を取り払った組織作りを行ってきました。あらゆる職種、事務職までもが患者のQOLの回復のために知恵を貸してくれています。

こうした体制作りのため、ただ職種の優位性を誇示する人材は排除したいということで「いばったら解雇」を採用の条件にしています。

生活という観点から、訪問系のサービスを充実させており、毎週行われるケース検討会には関わる全ての職種が参加します。訪問系サービスは単独で関わることによる「のめり込み」と「独善」がしばしば見受けられます。客観的評価と、様々な価値観に触れる目的でこのような全員参加型の話し合いを続けています。
こうした定期会合のほかに、随時所内のそこかしこで話し合いが行われています。

職員の考え方の柔軟性を養うために、このホームページで紹介しているような研修の機会が用意されています。地域の医療機関として、定期的に地域住民や、サービス担当者を対象にした公開講座を続け、既に70回を重ねてきました。

つくしんぼ会の医療は、設立趣旨に沿って最後まで経口摂取を続け人間らしい生活を営めるように援助しています。また、その延長線上として、在宅で関わった方々の全てが、自宅で最期を迎えられています。(詳しくは「看取り」)これからも、共感してもらえるメンバーを募って、さらに充実した仕事をしていきたいと願っております。

医療法人社団つくしんぼ会

理事長 鈩 裕和